ご神事用ヒスイ石笛

銘「水底」ご神事用ヒスイ石笛(珠玉型・直孔)注文品 [20I065]

商品詳細

ご神事に相応しい荒々しいくも神秘的な姿を持つ石笛です。
長年、ヒスイの奥が感じられる研磨を目指し続けていたのですが、視線が表面に止まらず、焦点も結ばずに奥に向かうような感じがする石笛です(撮影技術が供わないのが残念ですが、実物は写真とは比較にならないくらい綺麗です。)
例えば小川の表面に浮いたモミジの向こうの魚や水草、白い水流の泡、小石やコケが透けて観えるような感じがしますので、水底(みなぞこ)と銘うちました。
研磨機からはみ出るサイズなので研磨に手間暇がかかるのですが、原石がこれ以上は小さくして欲しくないと訴えてくるようで、大きいサイズのままで成形研磨しました。
Knobさん仕様の試験管状孔なので音色も円やかです。
量産品には真似できない、精妙な音色と優美な曲線をお愉しみください。


これまで広い音域を持つ楽曲演奏の可能な石笛を追求してきましたが、本来のご神事で奏上する石笛は、大本教の出口王仁三郎が伝えたように「磐笛は『ユーユー』と長く跡の音を引いて『幽』と云う音色を発生しせめるのが、第一等である」 (本教創世紀)ものであったようです。

近頃は本職の神職さんや古神道方面のお客様からのご注文と不思議なご縁が続いており、本格的なご神事に使える石笛を求めておられるお客様が少なからずいらっしゃる事に気が付きました。
ご神事で使われる石笛は、ぬなかわヒスイ工房が開発したペンダント仕様や音階変化のための指孔などといった工夫は必要はなく、本来の祭器たる石笛を目指した連作の一つです。
また、原石仕立ての一つ孔の石笛に呪術的な意味を持つ吹き手もおられるようです。


一見して原石に孔を開けてあるだけのようですが、祭器としての石笛であるからには、小型石笛なら二個〜三個作られるほどの大きなヒスイ原石の塊りから「石と対話しながら」石笛を削り出すようにカタチを作っていきますので、巷に溢れる孔を開けただけの石笛とは別物です。

つまり、ぬなかわヒスイ工房の石笛は、当初想い描いた基本デザインは保持しつつも、最後まで作り手である私自身がどんな石笛が出来上がるかが解らない状態で作っているのです。
その点では、極力、能動性や観念的な想いは避け、非常に受動的な作り方をしています。
このような石笛の作り方は非常に効率が悪いのですが、個人的には必然性を感じており、石を使った活花のように捉えております。

余談ですが、一般に流通している原石仕立ての石笛は、ハンマーで小割したヒスイ原石に若干の修正を加えてバレル研磨機という自動研磨の機械に放り込ん表面的な艶を付けてあるだけですので、原石表面は微細な痘痕状の肌荒れが残っています。
ぬなかわヒスイ工房の原石仕立ての石笛は、石笛として吹き易い形状に切削した上で平面研磨機で手作業の研磨をしていますので、バレル研磨機だけで仕上げた石笛に比べて光沢の奥行が感じられるはずです。

ぬなかわヒスイ工房の石笛は、プロ演奏家からのご注文も多いのですが、「息が吹き込みやすい形状・ビビリ音の排除・広い音域」というプロからのご要望は、すなわち初心者でも吹き易い石笛という考えを基本にしていますので、どなたにもお勧めできます。

音質の特徴
薄く作り込んだために、倍音成分が非常に豊富。
透明感ある詫びた高音が特長的。
音階変化は小器用として拒否するかのような腹に響く力強くストレートな音色。
シューという倍音と、ピューという倍音が同時に響く。
大きな音階変化を付けた楽曲演よりも、神事や一定の息の吹き込み方で長音を愉しむ奏法、呼吸法や音色自体を愛でる愉しみ方に向く。

基本キー;A7

音域;D6〜D7(1オクターブ)

石質;堅牢緻密。石目はあるが模様の範囲。
   
透光性;非常によい

色合;パステル調の明るい浅黄色に鮮やかな黄緑と白、黄色が浮かび上がる

孔寸法;φ12×深さ24mm

*市販の石笛の孔直径は通常8mm前後ですが、この石笛は12mmもありますので、竜笛や能管などの横笛経験者には吹き易い石笛と言えます




商品詳細

寸法;縦×幅×厚み(mm) 77×51×25
材質; 糸魚川ヒスイ

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