縄文テイストのヒスイ石笛

顔面付き注口土器モデル「あんぐり君」紋線刻石笛(円柱状孔・指孔付き) [21I059]

顔面付き注口土器モデル「あんぐり君」紋線刻石笛(円柱状孔・指孔付き) [21I059]

販売価格: 60,000円(税別)

(税込: 66,000円)

商品詳細

青森県八戸市階上町の滝端遺跡付近の表土から採集された、「顔面付き注口土器」をモデルにした石笛です。
縄文仲間の佐京さんが、実物に忠実に作った複製品のサイズは高さ65×幅45×奥行き53mmくらい。
下部に中空になった内部に通じる小穴のあいた小さな突起がありますので、液体をいれて注いだと推測される注口器状になっていますが、注口の位置が低すぎて液体を溜めることができない謎の出土品です。
複製を吹いてみると、くぐもった低い音がします。
大口をあけて「腹へった〜!」と食べ物をねだっているかのような表情に心惹かれ、あんぐりと口を開けているので「あんぐり君」と名付け、小型化と簡略化してヒスイで作ってみました。
初心者から上級者まで満足して頂ける石笛のスペック、縄文晩期の亀ヶ岡様式の文様を線刻した立体造形は、ぬなかわヒスイ工房ならでは!

石笛の仕様

音色の特徴
豊富な音量と演奏のしやすさ、豊富な倍音を持つ石笛。
ピーという倍音が特徴的で、複雑な倍音が重なりあい、芳醇でしっとりとした音色。
操作性は非常によいが、高音より中低音域が演奏しやすく、狼の遠吠えや寒風吹きすさぶモガリ笛を思わる切ない音色が容易に吹きこなせます。
何時までも吹き続けたくなる音色ですので、倍音中毒にご用心!(笑)

音域;E5〜C7(2オクターブ弱)
基本キー;F6
孔寸法;φ13×深さ30mm(直孔タイプ・円柱状孔)
色合い;浅黄色がかった白地に黄緑と黄色の雲が浮かぶ
透明度;薄い部分は透過する
石質;結晶は細かく緻密で堅牢。
*蝋引きコットン紐はなし

石笛の孔形状について
一般的な人工石笛の吹き孔は円柱状になっています。
ぬなかわヒスイ工房の石笛の吹き孔は、一般的な円柱状とKnobさん仕様の試験管状孔の2種類を作り別けています。
2020年に友人であるデイジュリドウと石笛演奏家として活躍するKnobさんから、天然石笛と同じ丸底になった試験管状孔の石笛を作って欲しいと開発したのが、Knobさんモデルです。
円柱孔と試験管状孔のどちらかに優劣がある訳ではなく、同じ孔の直径と深さで比較すると円柱孔は力強い音色で、容積があるために音域が若干ですが広くなる特長があり、試験管状孔は天然石笛と似たような円やかな音色という特長があります。

ぬなかわヒスイ工房と他の人工石笛との違い
巷に溢れる石笛の多くは、原石に孔を開けやすい位置に吹き孔を開けっぱなしにしててあるだけですので、好きにくい形状であったり、吹き孔の底に中空ドリル痕の凸が残っていたり、内部壁面に荒々しい条痕が残っています。
これでは吹き込んだ息が乱流となりますので、音程が一定せず、雑味が多い耳ざわりな音色となってしまいます。
要するに吹けばピーと音が出るだけのですので、これではご神事で使う宗教家やプロの演奏家からは「孔をあけたヒスイの塊り」としか評価されません。
また石笛表面も傷取り研磨程度か、バレル研磨機で見せかけの光沢を出しただけで売られていますが、中には電動工具の切削傷がそのまま残っているものまであります。
ぬなかわヒスイ工房では傷取り研磨の後に中研磨、仕上げ研磨、鏡面仕上げをしているのは、「孔をあけたヒスイの塊り」から「ヒスイ製の石笛」に産まれ変わっていく上で必要な工程だと認識しているからです。
余談ですが、カーネギーホールで石笛を演奏した実績のある横澤和也さんから、「あなたの石笛は人工であっても天然石笛といってもいいですよ」と評価されたのは、迷いながらも石笛を作り始めて4年目くらい。我が意を得たりとほっとしました。

ぬなかわヒスイ工房の造形と研磨
一般的に艶消し研磨として売られている石笛や勾玉は、傷取り研磨程度で止めている状態です。
ぬなかわヒスイ工房の場合は、中研磨までした上でバレル研磨機で艶消しをするか、値段を抑えるために成形・研磨しやすいシンプルなデザインにして、しっとりした艶の中研磨に止めるかのどちらかですが、もちろん吹き孔はきちんと研磨してあります。
また造形は原石と対話しながら、ヒスイがなりたい形を探っていく即興性の高い作り方をしていますので、同じものは二つとありません。
量産石笛には真似できない吹き易さ、音色、、音域の広さ、デザイン、研磨、なにより存在感をお楽しみして頂けると自負しています。

そもそも石笛とは?
天然の孔のあいた石を笛としてご神事に使うといったところが一般的ですが、砂岩や泥岩の場合は穿孔貝というヤドカリなどが巣穴として孔をあけたり、火山岩などの場合は冷え固まる際に内部のガスが抜けた孔などがあります。
古神道や修験系などでご神事に使われるのは天然の石笛ですので、人工石笛は邪道だとする人もいます。
しかし考古学的に石笛と報告されているのは、僅か数例の縄文時代の人工石笛なのです。
ネットには縄文時代の石笛云々という情報が溢れていますが、残念ながらそのほとんどはヒスイ大珠を独善的に石笛と紹介しているか、それら誤認情報の孫引きしているようです。
ためしにそれらサイトに石笛とする根拠や詳細情報を問合せてみてください。返信はないでしょう。
また縄文遺跡から天然の孔あきの石が出土することも稀にありますが、単に「穴開き石」としか報告されません。
それは安産や子孫繁栄を願う呪具の可能性や、珍しいから拾ってきたのかも知れず、実際の用途が不明だからです。
ましてや遺跡の表土採集した孔の開いた石が、縄文時代の石笛とするのはあまりにも独善的過ぎます。
私が考古学者たちと交流して地道に調べた石笛の考古学的な情報は、すぐに同業者にコピーされますので詳細は書けませんが、ご興味のある方は、盟友である守山鷲声さんが運営する「石笛倶楽部」のサイトをご参照ください。
http://moriyama-shusei.jp/iwabue-club/iwabue-club1.html

商品詳細

寸法;縦×幅×厚み(mm) 35×32×28
材質; ヒスイ(糸魚川産)

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