出雲大社の翡翠勾玉

SAVE NOTO! 出雲大社の宝物 金華石製 真名井の勾玉モデル(縦27mmサイズ・金華石) [24m0308]

SAVE NOTO! 出雲大社の宝物 金華石製 真名井の勾玉モデル(縦27mmサイズ・金華石) [24m0308]

販売価格: 44,000円(税別)

(税込: 48,400円)

商品詳細

出雲大社の宝物のひとつ、真名井遺跡出土の勾玉を実測図を元に、金華石で実物大の80%でつくったらすごい迫力!
眞名井の勾玉は魚が跳ねるような躍動感がありますので、金華石ならではの黄鉄鉱の華をウコロに見立ててみました。
金華石は姫川特産の岩石で、泥岩の母岩に金色の黄鉄鉱の華が咲いたように浮かぶ風景から命名されています。
母岩にメノウ部分が窓のようにはまったタイプは、光が透過しますので神秘的な姿が魅力となります。
実のところ泥岩とメノウでは硬さがまったく違うために金華石の勾玉は歪になりやすいこともあり、粗製品が安く売られたりもします。

サイズやカタチを優先すれば研磨がおろそかになり、かえって実物へのリスペクトがなくなるような気がします。わたしの場合は実測図を元にしつつも、素材であるヒスイの性質を大事に研磨しますので、サイズと形状は実物と若干は違うとは思いますが、それは素材の個性と考えております。


ちなみに現在は縦20mmくらいの勾玉が標準となりつつありますので、幅もいれれば標準サイズ3個分弱の原石が必要となり、今後はつくることが難しくなることが予想されますので、実物大のお求めは今のうち!

江戸時代のはじめころに大社ご造営の際に巨岩が必要となり、南東に位置する命主社の後背地の崖の大石を掘り出した時に銅戈と共にこの勾玉が出土して宝物となりました。現在は弥生時代後期の「真名井銅戈出土地」として遺跡指定されています。

勾玉の系譜のなかでたいへん興味深い勾玉で、紐孔の直径が5mm(片側穿孔のため裏側は4mm)もあり、これは縄文時代の勾玉の系譜です。しかしスマートで丸みのある形状、そして極上のロウカンヒスイが使われているという点では、弥生中期の北部九州の定形勾玉の系譜にも似ています。実際につくってみると、腹部のエグリが同心円状ですので西部北陸の半玦勾玉の系譜との融合とも思えます。

考古学的な観察は抜きにしても、流麗な曲線は魚や蛇がうねるような運動性を感じ、類例はなくても全時代を通して勾玉の代表といってもいい美しい勾玉だと思います。
いちおうですが、現在「出雲型勾玉」として売られているのは「出雲の加工業者がつくっている勾玉」という意味であるらしく、むしろ弥生時代に北陸地方でつくられていた「半玦勾玉」に似ています。

原石支給なら喜んでつくりますので、お気軽にご相談ください!

石質;堅牢緻密
色合い;黒い泥岩に白金色の華が咲き、メノウの窓がはまる
透光性;メノウ部は透過する
紐;長さ調整ができる蝋引きコットン紐サービス(こげ茶・黒の選択可能)




「色のいいヒスイならカタチと研磨はどうでも売れる」と同業者から聞いたことがありますが、どんなヒスイであっても私にとってオンリーワンの愛すべき存在で、一期一会の覚悟で徹底的に作り込み、紐孔の縁や内部まで研磨しています。
ちなみに研磨にも種類があり、多くのヒスイ職人が仕上げで使っている自動のバレル研磨機の光沢は、ギラついた油脂光りが好みに合わず、じっとりと上品な光沢が出る平面研磨機での手作業をしています。


そもそも勾玉とはなんだろう?勾玉のカタチにさえなっていれば勾玉といえるのだろうか?
日々そんな自問自答をしていますが、なぜだかお客様から「ぬなかわヒスイ工房さんの勾玉(あるいは石笛)は、ずっと握っていたくなる」「美味しそう!」と、不思議な褒め言葉をいただきます。

勾玉をお求めいただいたご婦人から、歩きながら、電車に乗りながら、いつでも勾玉に触っていたいとブレスレットに仕立て直したものを見せていただいた時、涙ぐんでしまいました。

しかし、ずっと握っていたくなる勾玉の作り方など、私は知りません。
恐らくは・・・日頃から勾玉とはなんだろう?という自問自体にあるのではないだろうか?
大昔の人々が愛してきたヒスイ勾玉、すなわち日本の基層文化に触れたという共感がそう感じさせてくれるのだとしたら、ヒスイ職人冥利に尽きるというものです。
これは希望的観測ですネ。



*ぬなかわヒスイ工房の勾玉は、下記3点の中から仕立て方が選べますので、ご注文の際は明記してください。
詳細な画像は、説明欄の下の写真でご確認のほどを!

(1)勾玉に紐を通すだけの縦向き飾り(古代風)
(2)勾玉に紐を通して、捻じれ止めにウッドビーズを使用(一般的な横向き飾り)
(3)勾玉に紐を通して、捻じれ止めにテグス結び(一般的な横向き飾り)


勾玉の身に付け方には種類あり、現在は相手に向かって逆C字に見える横向き飾りが主流になっています。
これは東京帝国大学の考古学者が「勾玉の紐孔を穿孔し始めた側を表とし、それが判別できない両側穿孔の場合は逆C字の向きを表とする」とした考古学上の定義が、大正時代に出版された研究図書に記述されているのを見つけましたので、この最後の部分だけが広まって逆C字の横向きが表とされたようです。


しかし勾玉が縦向きの飾りになっている古墳時代の人物埴輪や、数々の出土品の状況などから、本来的には縦向き飾りであったと考えられています。
2018年に幕末期の蝦夷地探検家であった松浦武四郎が、明治期に蒐集した玉類243点を連ねて政策した「大首飾り」を明治維新150周年を記念してのレプリカを「松阪市立松浦武四郎記念館」から依頼されましたが、「大首飾り」も実物は縦向き飾りですので、少なくとも明治期までは縦向きであったようで、横向き飾りは大正時代以降であることが伺えます。


私は「これが正しい」とお客様に提示することはしたくはなく、勾玉の飾り方はお客様のお好み次第の選択式を採用しており、逆C字向きが正しいと思い込むのではなく、その日の気分でC字向きに首にかけてもいいと考えております。

そんな訳で、古典的な縦向き飾りは誰でも紐を簡単に交換できるというメリットがあり、現代的な横向き飾りは縦向きよりでっぱりが少ない分、日頃から身につけるお守りに最適で、ビジネススーツの下でも目立たないというメリットがあることをお伝えしています。

ただし、紐の素材に関係なく、毎日身につけていると二年くらいで紐は切れてしまいますので、横向き飾りの時は紐が捻じれないためのビーズを通すか、テグス結びで捻じれ止めにする必要があります。

*特にコメントがなければ、縦向き飾りでお届け致します。

*ご予算に応じてヒスイ原石を選びます・・・(オーダーは30,000円〜)


勾玉について
勾玉の形状については、牙玉説・胎児説・三日月説・釣り針説・玦状耳飾りリメイク説などがありますが、原型は旧石器時代からある獣の牙をペンダントにした牙玉であったようです。
やがて縄文早期後半(六千年前)の長者ケ原遺跡で胎児のような牙状勾玉が滑石で作られ、後期から晩期にヒスイ製の勾玉が作られるようになり、断絶期を経て弥生中期ころから北九州方面で定形勾玉が作られるようになりました。



商品詳細

寸法;縦×幅×厚み(mm) 27×18×10mm
材質; 金華石(糸魚川産)

他の写真

Facebookコメント