ぬなかわ姫の玉つくり工房が千七百年の時を経て復活した「ぬなかわヒスイ工房」

銘「蛟(ミズチ)」・ご神事用ヒスイ石笛(売約済・一つ孔) [16I060]

銘「蛟(ミズチ)」・ご神事用ヒスイ石笛(売約済・一つ孔) [16I060]

販売価格: 25,000(税別)

(税込: 27,500)

在庫数 在庫なし

商品詳細

魏志倭人伝に曰く「・・・斷髪文身、以避蛟龍之害・・・」とあり、倭人は断髪して体に入れ墨をする事で、蛟龍の害を防いだと記述されています。
蛟龍とは、水の精霊、即ち龍の事ですが、具体的にはサメなどの海の猛獣でしょう。
古代の日本では蛟(ミズチ)と訳され、ミは水を意味し、チとはヤマタノオロチや血、お乳、そしてイノチのチで、霊力を表す古語です。

糸魚川ヒスイの青黒い部分は角閃石という不純物で、普通は使われることがなく、切り捨てられてしまう部分ですが、荒々しい姿を持つ原石を観た時に、「深海を身をくねらせて泳ぐミズチ!」と閃きました。
サメのような、カジキマグロのような姿に成形して、厳かな低音を強調したご神事用石笛の完成です。


これまで広い音域を持つ楽曲演奏の可能な石笛を追求してきましたが、本来のご神事で奏上する石笛は、大本教の出口王仁三郎が伝えたように「磐笛は『ユーユー』と長く跡の音を引いて『幽』と云う音色を発生しせめるのが、第一等である」 (本教創世紀)ものであったようです。

近頃は本職の神職さんや古神道方面のお客様からのご注文と不思議なご縁が続いており、本格的なご神事に使える石笛を求めておられるお客様が少なからずいらっしゃる事に気が付きました。
ご神事で使われる石笛は、ぬなかわヒスイ工房が開発したペンダント仕様や音階変化のための指孔などといった工夫は必要はなく、本来の祭器たる石笛を目指した連作の一つです。
また、原石仕立ての一つ孔の石笛に呪術的な意味を持つ吹き手もおられるようです。


一見して原石に孔を開けてあるだけのようですが、祭器としての石笛であるからには、小型石笛なら二個〜三個作られるほどの大きなヒスイ原石の塊りから「石と対話しながら」石笛を削り出すようにカタチを作っていきますので、巷に溢れる孔を開けただけの石笛とは別物です。

つまり、ぬなかわヒスイ工房の石笛は、当初想い描いた基本デザインは保持しつつも、最後まで作り手である私自身がどんな石笛が出来上がるかが解らない状態で作っているのです。
その点では、極力、能動性や観念的な想いは避け、非常に受動的な作り方をしています。
このような石笛の作り方は非常に効率が悪いのですが、個人的には必然性を感じており、石を使った活花のように捉えております。

余談ですが、一般に流通している原石仕立ての石笛は、ハンマーで小割したヒスイ原石に若干の修正を加えてバレル研磨機という自動研磨の機械に放り込ん表面的な艶を付けてあるだけですので、原石表面は微細な痘痕状の肌荒れが残っています。
ぬなかわヒスイ工房の原石仕立ての石笛は、石笛として吹き易い形状に切削した上で平面研磨機で手作業の研磨をしていますので、バレル研磨機だけで仕上げた石笛に比べて光沢の奥行が感じられるはずです。

広い音域よりも「幽幽という厳かな音色」を目指しました。
音域は広くはありませんが、一般的な「正面吹き」の他に古神道系の吹き手に多い「横吹き」もし易い形状と、精妙な倍音が魅力です。

ぬなかわヒスイ工房の石笛は、プロ演奏家からのご注文も多いのですが、「息が吹き込みやすい形状・ビビリ音の排除・広い音域」というプロからのご要望は、すなわち初心者でも吹き易い石笛という考えを基本にしていますので、どなたにもお勧めできます。

音質の特徴
力強く荘厳な低音〜中音を基本とする。
音階変化は小器用として拒否するかのような腹に響く力強くストレートな音色。
シューという木枯らしのような倍音と、ピューという倍音が同時に響く。
大きな音階変化を付けた楽曲演よりも、神事や一定の息の吹き込み方で長音を愉しむ奏法、呼吸法や音色自体を愛でる愉しみ方に向く。

基本キー;6度のミ。6度のドからソまでの音域を持つ

石質;不純物とヒビが目立つが、かえって神秘的な姿の味になっている
   
透光性;薄い部分のみ光を通す

色合;やや青味がかったくすんだ緑に、角閃石の青黒い模様が入る

孔寸法;φ12×深さ39mm
*市販の石笛の孔直径は通常8mm前後ですが、この石笛は12mmもありますので、竜笛や能管などの横笛経験者には吹き易い石笛と言えます




商品詳細

寸法;縦×幅×厚み(mm) 77×45×27
材質; 糸魚川ヒスイ

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