銘「白富士」・ご神事用青ヒスイ石笛（二つ孔） [16I072]

噴火口と裾野に当たる部分に二つの吹き孔を持つ富士山形のご神事用石笛です。
使用ヒスイは白地に薄い青緑が所々に入ったヒスイで、地味なので一般的には製品化される事はあまりありません。
しかし透明感と色合、平らな面と尖った面を持つ原石の姿から、雪の富士山をイメージして成形しました。


最近は、古神道を学ぶ方や本職の神職さんからの一つ孔の石笛のご注文や問い合わせが重なり、初心忘れるべからずとの啓示と受け取り、ご神事に相応しい姿を持つ原初的な石笛を作る事が多くなりました。
これまでは１オクターブ超えの広い音域を持つ楽曲演奏の可能な石笛を追求してきましたが、本来のご神事で奏上する石笛は、大本教の出口王仁三郎が伝えたように「磐笛は『ユーユー』と長く跡の音を引いて『幽』と云う音色を発生しせめるのが、第一等である」 (本教創世紀)ものであったようです。
古神道方面のお客様と不思議なご縁が続きましたので、祭器たる石笛を目指して作っている連作です。
また、原石仕立ての一つ孔の石笛に呪術的な意味を持つ吹き手もおられるのです。

一見して原石に孔を開けてあるだけのようですが、祭器としての石笛であるからには、大きなヒスイ原石の塊りから石を使った活花のように、石の中から石笛を削り出す心持で作りました。
巷に溢れる孔を開けただけの石笛とは別物だと自負しております。


広い音域よりも「幽幽という厳かな音色」を目指しました。
6度のドから6度のラ前後は無理なく音がでますし、力強くも澄んだ倍音が綺麗です。

ぬなかわヒスイ工房の石笛は、プロ演奏家からのご注文も多いのですが、「息が吹き込みやすい形状・ビビリ音の排除・広い音域」というプロからのご要望は、すなわち初心者でも吹き易い石笛という考えを基本にしていますので、どなたにもお勧めできます。

＊ご要望あれば別途追加料金3,000円でペンダント仕様に変更できます。
　音階変化用の指孔は別途追加料金1,000円ですので、お気軽にご相談下さい。


音質の特徴
(1)噴火口部分
孔寸法；φ12×深さ29mm
野太くも透明感ある高音域が特徴的。
6度付近のピーという倍音が心地よい
頑張れば5度のミくらいから音は出るが、基本的には6度の石笛。
縦吹きでも充分愉しいが、横吹きできるなら最適な形状

(2)裾野部分
孔寸法；φ10×深さ41mm
幽玄な低音域が特徴的。
倍音成分が非常に豊富で、吹いていて実に愉しい。

石笛自体は大きいものの二つの孔ともども、孔の底付近は非常に薄く作ってあるので、共鳴音が豊富な音色に貢献している。


石質；よく練れたヒスイで結晶は緻密。ヒビは多いが硬い所に落とさない限りは割れる恐れはない。
　　　石内部の奥行が感じられる透明感を持つ。
　　　
透光性;良い

色合；透明感ある白地に薄い青緑の斑が所々に透けてみえる。