石なのに柔らかく、温かい。眼と掌に馴染んで何時までも観て、持っていたくなるモノを目指します!

縄文人(見習い)の糸魚川発!

我が青春の「The Soba」・・・「そば処 泉家」さんにエールを!

年末の糸魚川駅北火災で惜しくも全焼してしまった老舗の蕎麦屋「そば処 泉家」さん。

泉家さんといえば、高校最後の熱い夏を思い出す。

私の高校当時の泉家さんはハバカリ(便所)の大きい方には床の間が設えてあるような古いお店で、そんな佇まいが大好きだった私。

そこで高校3年の夏、美術部の仲間とクラスメートで「泉家ファン倶楽部」を結成した。

世界にたった1冊しかない機関誌「The Soba」。「泉屋はイースターよりラジカルだ!」という特集は、当時のティーンエイジャーに多大な影響を与えた総合雑誌「ポパイ」の影響(笑)

 

もり蕎麦が当時でさえ驚きの280円という安さだったので、放課後は後輩たちを引き連れて「泉家巡礼」と称して「ソバリスト」養成に努めていたのだ。

なかにはザル蕎麦を注文する後輩もいて、「なんだいお前さん、ザル蕎麦かい?ザルはいけませんよ。海苔が蕎麦の香りを消しちまうから・・・」と、私は落語に出てくる蕎麦っ食いの通人を演じて、いじられた後輩も「なにぶん未熟者でして・・・」と面白がって役柄を演じていた。

親友で副編集長を務めてくれたチー君は、随筆やショートショートなどで持前のナンセンスギャグを炸裂させていた。

「陸上そば隊、航空そば隊、海上そば隊」への入隊ガイダンという秀逸なコーナーも、チー君のアイデア。

 

冬は糸魚川市内を見下ろす美山公園、夏は親不知海岸で「ソバリスト強化合宿」までやった。

その集大成が機関誌「The Soba」の発行。

エッセイ、ポエム、漫画など、それぞれ得意な分野の原稿を各方面に呼びかけた。

受験勉強をほったらかしてイラスト入りのSF短編小説「硬派よみ物 渡星人走る」を書いたのは、現在、「金田一少年」の作画担当で活躍する漫画家のエイイチ。

「硬派よみ物 渡星人走る」・・・エイイイチは、まだメジャーになる前の宮崎駿に影響を受けていた事がわかるイラスト。よく部室で「アニメージュ」を読んでいた。

床屋の倅の伊賀君の漫画

 

あの夏の出来事は、後々まで糸魚川高校美術部の伝説になっていたようだ。

今でも後輩たちの間では、高校生活一番の楽しかった思い出と語り草になっているし、10歳以上離れた面識のない後輩から、「あの伝説のヤマダ先輩ですかぁ!」とハグされた事が何度かある。

我々の青春の地、泉家さんの再建が待ち遠しい。